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広島必死、黒田慰留へ猛アピール

広島との2度目の交渉を終え引き揚げる黒田(撮影・岡本 肇)
広島との2度目の交渉を終え引き揚げる黒田(撮影・岡本 肇)

 広島が必死の「引き留め攻勢」に出た。30日、FAでの去就が注目される黒田博樹投手(31)と2度目の交渉に臨んだ。残留に気持ちを動かすまでには至らなかったが、球団として条件提示はもちろん、来季以降のチーム方針を詳細に話すなど優勝への強い意欲をアピールした。11月2日に第3回交渉を行うことも決定。時間が許す限り、エース右腕への猛アタックを続ける。

 思わず苦笑いを浮かべた。その表情に今回の交渉の難しさが表れていた。黒田と1対1の会談に臨んだ鈴木球団本部長は開口一番、話し合いが平行線だったことを明かした。

 「進展というものはないですよ。心境の変化? 特にそれもない。長期戦になると思う」。

 すでに黒田は、近い関係者に阪神行きの思いが強いことを明かしている。一方で、10年間を過ごした広島に強い愛着を持っているのも確か。この日も会談後に「やっぱり僕をここまで育ててくれた球団だから愛着がある」と話した。事実上、選択肢は阪神か広島かに絞られている。

 球団側はエース残留に一縷(る)の望みがある限り、交渉の手を緩めない。前回の交渉に続いて「FA残留」した場合の条件提示を行った。今回はさらにチーム強化のビジョンも詳細にわたって示した。

 「お互いの野球観を知ることがポイントになる。黒田はこう考えていて、僕はこう考えている、という意見交換をしました」と同本部長は話した。黒田が知りたいのは広島がしっかりと戦力を整え、本当に優勝する意欲があるのかどうか。阪神に強く引かれる理由も「優勝が狙える」からにほかならない。

 これに対して広島は外国人投手を最大3人獲得する今オフの補強方針や、大学・社会人ドラフトの戦略を詳細に披露。さらに09年春に完成予定の新球場の概略まで説明した。球団側は来年から始まるプレーオフ制度により、近い将来には優勝を狙えると確信している。そのために黒田が必要であると訴えている。

 11月2日には第3回、さらに同6日、7日とFA申請期限いっぱいまで黒田への説得を試みる覚悟だ。FA宣言前にここまで連続交渉を行うのは異例といえる。広島はエースの移籍阻止へなりふり構わず体当たりを続ける。【柏原誠】

[2006年10月31日11時30分 紙面から]

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