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黒田残留!苦悩の末に「カープ愛」勝った

- 残留のきっかけの一つとなるファンから贈られたメッセージ入りの旗を手に笑顔を見せる黒田(撮影・上田博志)
「カープ愛」が勝った。去就が注目されていた広島黒田博樹投手(31)は6日、FA権を行使せず残留すると表明した。FAを宣言し阪神への移籍が濃厚と見られていたが悩みに悩んだ末、5日夜に決断し、球団に伝えた。4年12億円(出来高含む)の球団史上最高条件で契約を更改。また来季以降に、契約を破棄してメジャー挑戦も可能な条項も加えられた。黒田は「国内の他球団のユニホームは今後、一切着ない」とメジャー挑戦の可能性は残しながら、広島のために働く覚悟を示した。
苦渋に満ちた表情は、もうなかった。悩みぬいた末に黒田は決断を下した。広島市内のホテルでの会見。「FA宣言せずに残留」を表明した。
「僕はカープに育ててもらった。そのチーム相手にめいっぱいボールを投げ込める自信がなかった。最終的には他のユニホームを着る自分が想像できなかった」。
心は揺れ動いた。「確かにあった」と一時はFAを宣言する方向に傾いた時期があったことを認めた。その場合は、相思相愛と見られた阪神への移籍が濃厚だった。事実、近い関係者に阪神に傾いている心境を伝えたこともある。しかし結論は残留。
「カープで強いチームを倒すことを一番の目標でやってきた。簡単に優勝できるチームに入って、それでモチベーションを保てるのか、と」。
自問自答しながら最後は「カープ愛」を選択した。シーズン最後の10月14、16日の広島市民球場は「黒田色」に染まった。応援団が決起し、鳴り止まぬ黒田コールや赤いボードでの大応援を繰り広げた。「今思えばあれが一番大きかった。それが本当の正直な気持ち」と明かした。
球団の熱意もあった。シーズン中から5度の下交渉を行い、日本シリーズ終了後も3度の残留交渉。その初回に総額4年12億円の条件を提示された。不安もあった。「俺ばかり大金をもらってほかの選手やファンはどう思うのか」。交渉役の鈴木球団本部長に「ほかの選手も黒田と同じくらいの選手になれば同じ額を出すよ」と言われ納得した。チームの強化計画を明確に示され「このチームで優勝を」の思いを強くした。
さらにメジャーへの夢もある。現時点ではあこがれでしかないが
「選手として常に上を目指したい。将来もし、そういう(米挑戦の)気持ちになったときには行かせてほしい」
と球団に伝えた。その思いも球団はすべて受け入れる。契約条項には、契約期間内でも無条件でメジャーへの移籍を認めることが加わった。
「国内他球団のユニホームを着ることは今後、一切ないです」
来季以降にメジャー挑戦の可能性は残しながら、黒田は決めた。来季もカープファンのために市民球場のマウンドに立つ。【柏原誠】
[2006年11月7日11時59分 紙面から]
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