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広島黒田100勝!G斬り完投
<巨人2-8広島>◇14日◇東京ドーム
やっぱり彼は千両役者だ。広島黒田が巨人相手に2失点完投、通算100勝目を挙げた。速球と多彩な変化球を散りばめ、打たせてとる黒田らしい投球だった。東京ドームは10年前にプロ初勝利を挙げたマウンド。負ければ自力優勝の可能性が消滅する試合で、エースらしく嫌な数字もシャットアウトした。打線も効果的に黒田を援護。豪快に首位巨人を倒し、記念の1勝に花を添えた。
あの時と同じ場所にいた。10年前の97年4月25日。専大からドラフト2位で入団したルーキー右腕がプロ初登板した。東京ドームでの巨人戦だった。
スラリと細身の22歳は、150キロの速球を軸に清原和博や松井秀喜相手にガンガン攻めた。初登板で9回を投げ切り、華々しく完投勝利を飾った。「逃げたら打たれる。受身はダメだと言い聞かせて投げた」。当時のコメントがいかにも黒田らしい。今でも変わらない。「強い気持ちで投げる。技術で補えない部分は気持ちで何とかする」。黒田の口癖だ。
首位巨人に一泡食わせた。南海の外野手だった父一博さんの代から、常勝巨人は黒田家の「ライバル」だった。巨人戦は今でもテンションが上がる。ましてや敵の大応援団を背にしての投球だ。反骨の男が燃えないわけがない。100勝達成にこれ以上ない舞台だった。巨人からちょうど20勝目。現役では佐々岡、中日山本昌、川上、ヤクルト石井一に続く5人目だ。
「100はすごい数ですよ。まさかここまで勝てるとは思っていなかった。節目の数字として素直にうれしいですね」。10年前のデビュー戦こそ上出来だったが、その後は苦しんだ。05年にシュートを覚え最多勝、その後もカットボールや大きく曲がるスライダーなど年ごとに微調整を加え、敵の警戒網を打ち破ってきた。「少しずつでも成長しないと必ずやられてしまう。そんなに甘い世界じゃない」と力説する。
専大の1年先輩でダブルエースとして東都リーグ1部昇格に導いた小林投手コーチは言う。「昔とは球質がまったく違う。努力としか言いようがない。素材は一級品だったけど。100勝はすごくうれしいけど、僕としては実は悔しい(笑い)」。故障で先に現役生活を終えた先輩は、14年の付き合いの後輩をジョークで祝福した。
試合後の黒田はいつものようにナインとハイタッチ。特別な高ぶりはなかった。3ケタ到達もただの通過点に過ぎない。旬の季節のまっただ中にいる右腕が、過去を振り返る必要はまだない。【柏原誠】
[2007年7月15日12時1分 紙面から]
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