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広島新井号泣「前に進みたかった」FA会見

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FA宣言し、涙を流しながら記者会見する新井(撮影・渦原淳)
FA宣言し、涙を流しながら記者会見する新井(撮影・渦原淳)

 さらば、カープ-。広島新井貴浩内野手(30)が8日、FA(フリーエージェント)宣言を行い、移籍の意思を表明した。広島市内のホテルで行われた会見で、広島残留の可能性を完全否定。広島への愛着を口にし、号泣して何度も言葉を詰まらせた。05年に本塁打王に輝き、日本代表でも主力を務めるスラッガーは、獲得を熱望する阪神への移籍が決定的となった。

 会見の冒頭、いきなり大粒の涙をこぼした。約20秒間も黙り込んだ。「つらいです…。つらいです。僕はカープが大好きなので、つらかったです」。元気印の新井が苦悶の表情で言葉を絞り出した。

 広島側とは何度も話し合い、自分が納得して野球ができる環境かどうかを見極めてきた。基本線は常に残留だった。「何とか宣言せずにカープに残れないか。そればかりを考えていた」。だが結局は「優勝争いをしたい」という選手としての夢を優先し、移籍の結論にたどり着いた。6日の午後5時57分、東京出張中の鈴木球団本部長の電話を鳴らした。そこで最終結論は伝えたが、会見当日まで自問自答は続いたという。

 新井「正直、自分はカープに残るのだろうと思っていた。どこにも行かないだろうと。でも一野球人として自らを厳しい環境に置き、その中で自分がどう変わっていくか挑戦する気持ちが出てきた。毎日、どんなときでも自問自答していた。自分自身で最終的にこう決断しました」。

 会見前に球団事務所を訪れ、FA申請書類を提出した。交渉役を務めてきた鈴木本部長に別れとお礼のあいさつをした。宣言後に残留へ翻意する可能性はないことも明確に伝えた。

 「ファンの方の気持ちを裏切ることになり、本当に申し訳ないと思っています。でも、僕が喜んで(広島を)出て行くのではないということを理解してほしいです」。広島で生まれ育ち、ドラフト6位入団から不動の4番にまで成長した。「もうカープのユニホームが着れないというのが寂しいです」とまた号泣した。

 他球団との交渉解禁は14日。現時点で獲得に強い興味を示す球団はなく、移籍先は阪神が確実視されている。涙で広島に別れを告げた。これからは「阪神の新井」として次の野球人生を歩み始める。【柏原誠】

[2007年11月9日9時46分 紙面から]

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